海鳴り

森はいやだよ シャワーは雨がいい

波音にふるえながら海のうえ ひらひらたよりなく舞わせてよ

髪を染める稲妻の 指にほほふれて

目がくらんでいるわ さよなら

砂のなぎさは この海辺にもなくなって

こころぼそくて にんげんにはもどれない 

           森崎和江