さて、二人の小幡氏による1日かぎりの展覧会。 ほんのり灯る明かりの下、深きところより、ぽこりぽこりと浮かびくる打楽器の音色に酔っぱらう。 あのときのあんなこと、うすやみに響くたったひとつの水音で、さやかによみがえる。 音は記憶の引き出し。
こんぶ話、補足。 なぜ慌てるかと申しますと。 「他の食材で代用ができない」という理由があります。 無くともしのげる食材はあまたありますが、昆布はちがう。 寡黙ながら、味に底力を与えてくれる大切な存在。もちろん身体にとっても。 どれだけ助けられてきたでしょう。 偉大なり、こんぶ。 とはいえ、 タルトやマドレーヌから、突如にゅるんと昆布が現れるわけではありませんので御安心下さいね。 念のため。
昆布…。 お菓子の材料のひとつ、こんぶ。 使おうとして切れていることに気づき、一番慌てふためく食材は、こんぶです。 そしてそれはいつも真夜中。ああ。海が近かったらなあ。とりにいくのに。 街ではそうもゆきませぬゆえ、乾物屋までひとっぱしり。 ゆるゆると、お日様がのぼるのを待とう。