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まめすず
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mamesuzu-sweets
逝った。
甘やかな姿を幾枚も遺して、ひらりと天へ駆けていってしまった。
願わくば。哀しい程にうるわしい蓮台を彼の人のために。
掌をあわせ、言の葉をはらはら飛ばす。
散華。
ぷかぷかぷか。
一心に水を呑みこむ小さな彼らに倣って、過ごす。
閉じていたまなこを開き、ぐるり見渡せば、やるべきことがこんなにも!
あたかもミルフィーユのように重なったあれやこれや。ひと思いに食べてしまおう。
ようやく。
焦がれていた凪と。
すみわたる空が。
こころがざぶざぶと洗われてゆく。
ぽたぽたとしずくをこぼし、また彼方まで歩む。
今年もこの子たちの季節がやってまいりました。
アプリコット。
初夏の訪れを味わうタルトに。
いまが盛り。
菖蒲の群落に、ほうっとため息。眺める眼まで薄紫に染まりそうな。ここは平安神宮の奥に広がるお庭。
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