どんな世でも、お茶とお菓子は必要です。

湯気の立つお茶をきちんと淹れること。                   わすれないで。

「第二回 旅するカタリとお友達」 4月5日(日) 15時より

今回いらして下さるカタリのお友達は、版画家・絵本作家の山福朱美さんと、ギター奏者の末森樹さん。                          ゆかりの深い、石牟礼道子さんの作品を声にのせる一日です。         

山福朱美さんは、石牟礼道子さんの『水はみどろの宮』を始め、上野英信さんや姜信子さんの著作の装丁も手掛けておられます。のびのびと広がる森や動物たちの姿には、いつもほんの少しの哀しみが刷り込まれているよう。

幼少期の記憶を鮮やかに記した『椿の海の記』から「十六女郎」を定本にしたカタリは、渡部八太夫さん。幼い遊女ぽんたの生き死にを、石牟礼さんの慈しみ深いまなざしが綴る、いつまでも忘れ難い一編です。三味線にのせて石牟礼作品を語る八太夫さんの、冴え冴えとした格好良さよ。

みなさま、いちばんおそれなくてはならぬのは、伸びやかな心を理不尽に奪われることです。おびえることなく、真っすぐに見つめて歩む。石牟礼道子さんは、くるしむ人の傍らに寄り添い、ともに悶えることを貫いた作家でした。       節目で惑う時に繰る頁から立ち昇る言葉に、よわい私はどれほど救われたかしれません。                                  

お茶やお菓子は、もちろん熊本水俣の恵みを盛り込んだ品を仕度いたしますね。 はじめて石牟礼作品に触れるという方々のご参加も心よりお待ちしております。

お申し込みは、ご来店、お電話、もしくはメールをお送りくださいませ。  mama18notonoto@hotmail.co.jp

どうか、握りしめた掌をひらいておくれ。                  砕けた抜け殻が、舞い散るよ。                  

その音、体温を帯びた言葉。                        いまこそ聞かせておくれ。                         わたしの骨の耳に。     

オレンジのキャラメルケーキ。                       この味がお気に入りのAさん、Bさん、Cさん、Dさん・・・Wさんの顔が、ふわふわと浮ぶ。                                

大好物だったSさんは、すうっと空へ還られた。               まだ店舗の無い流浪の菓子屋だった青い頃から「まめすずさんのお菓子は美味しいわよー、大丈夫」と、もぐもぐ頬張りながら支え続けて下さった。

病状を尋ねても、にっこり笑って「そんなことを話しては、心が暗くなるばかりでしょ。それよりも、最近良い本を読んだのよー!」と柔らかくはぐらかして、専門の文学や絵画、映画の素晴らしさを次々と語られた。豊かな刻だった。    「私を思い出す時は、どうか泣かないでね。お馬鹿さんな失敗話をして皆で笑って頂戴ね」というのが遺言だと、近しい方が涙をこぼしながら伝えてくれた。

ふいに空が暗くなり、やがて雨音が響き、にわかに突風が吹きすぎると、戸惑う小さな風が玄関扉を開けてゆく。ああ、これは何方かが食べに来はった、と表を見やり、きっとキャラメルケーキだろうなSさんなら、とひとりごちる。

もう今生で会えぬ人は遥か遠くへ発ったわけではなく、わたしが忘れ去った時に、本当に手の届かない彼方へ、きっぱりと渡ってしまうのだと思っている。

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変わらぬご贔屓、ありがとうございます。                  24日(月)は祝日ですけれども休業日とさせていただだきます。この連休は梅の花を愛でに出かける方もいらっしゃるでしょう。               どうぞ穏やかな時間をお過ごしくださいませ。

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