夜、きんつば仕込み最中にプルルル…と電話のベル。
張りのある、お菓子の注文を告げる声の先は、
午後4時のドイツなり。
ドイツ…。
ドイツ!
ヴィム・ヴェンダース。ゲルハルト・リヒター。ピナ・バウシュ。
あんこに戻っても幸せな断片が頭をめぐる。
美味しいもの、ご用意いたしますね。
ありがとうございます。

風が吹き、ひんやりとする京都。
育った北の街の今時分によく似ているので、なんだか懐かしい。
水俣から甘夏みかんが届く。
風雨にさらされた渋い面構えの子らがごろごろ出てきた。味はとびっきり。
よきこともわろきことも、とどのつまりは人の手が生んでいるのだなぁと、
ひとりごちて、甘夏の皮をひたすらに剥ぐ。
香りに励まされる。

友、アトリエ来訪。
6年前、何とも不可思議かつファンキーな学科で出会う。
今回はアレンジした展覧会のために、たんまり菓子を購入して去った。
もくもくと、誰のものでもない道を歩む彼。
ゆけゆけ。
迷わず、ススメ。

「まめすず」には未だ実店舗がありません。お客さまに御面倒をおかけしながらの営業です。
遠方から、安くはない送料を支払って取り寄せて下さる方。てくてくと長いこと歩いて買いに来て下さる方。
何とか今日も、ちまちまと歩んでいられるのは、そんな皆様のおかげなのです。
ありがとうございます。
今日も、タルトが焼けました。

このお休みはいかがおすごしでしょうか。
「モーネ箱市」 (Click!) にてお菓子をお求め下さった皆々さま、誠にありがとうございました。
またお会い出来ますように!

本日はお天気に恵まれ。
豆もやわやわと炊けました。
「モーネ箱市」のお菓子の下拵え。明日は焼きたてを持ってモーネへ走ります。