こんぶ話、補足。
なぜ慌てるかと申しますと。
「他の食材で代用ができない」という理由があります。
無くともしのげる食材はあまたありますが、昆布はちがう。
寡黙ながら、味に底力を与えてくれる大切な存在。もちろん身体にとっても。
どれだけ助けられてきたでしょう。
偉大なり、こんぶ。
とはいえ、
タルトやマドレーヌから、突如にゅるんと昆布が現れるわけではありませんので御安心下さいね。
念のため。

昆布…。
お菓子の材料のひとつ、こんぶ。
使おうとして切れていることに気づき、一番慌てふためく食材は、こんぶです。
そしてそれはいつも真夜中。ああ。海が近かったらなあ。とりにいくのに。
街ではそうもゆきませぬゆえ、乾物屋までひとっぱしり。
ゆるゆると、お日様がのぼるのを待とう。

本日にて「garden」おひらき。
会期中は早朝から、どこどこ焼きはじめ、
せっせと袋詰めしたのち、
恵文社までだだーっと走り、
ざざっと搬入して、
ぴゅっとアトリエへ戻り、
夜更けまでもくもくと仕込み…の毎日でしたので、
すれちがいのお客さまも多くおられたのではないかと。申し訳なく。
はるばるとお越し下さいまして、本当にありがとうございました。
またお目見えかないますように、ただただ、できることを続けて参ります。

京都・恵文社での「garden」展が始まりました。
ぽっちり小さなフェーヴを忍ばせたタルト、並んでいます。

夜、きんつば仕込み最中にプルルル…と電話のベル。
張りのある、お菓子の注文を告げる声の先は、
午後4時のドイツなり。
ドイツ…。
ドイツ!
ヴィム・ヴェンダース。ゲルハルト・リヒター。ピナ・バウシュ。
あんこに戻っても幸せな断片が頭をめぐる。
美味しいもの、ご用意いたしますね。
ありがとうございます。