秋が訪れ、正倉院の宝物の御開陳が始まった。 さてと。 わたしのたからものを、ひとつひとつ数えておく。 たくさんある。 ぼんやりしていたならば、指の間より、するすると滑り落ちゆく儚いものたち。 散逸せぬよう、たいせつにあたためる。 そういう機会だとおもっている。