かろうじて、ライラックの花時には辿り着いたのです。
皐月の終わりと云えば、薄青いひんやりした風に揺れ揺れる、可憐なこの子たち。
札幌育ちには、見慣れた初夏のすがた。
そうして八百屋さんの軒先には、しゃんと背伸びをしたアスパラガスがお行儀よく並び、
細いのやら太いのやらが、ぎゅっと束ねられ人待ち顔。
昨今は色もとりどり。緑に白に、濃紫。
移り変わりる実りを、当たり前にいただくとは、なんと豊かなことなのでしょう。