秋の夜長。
メイちゃんは、こうこうとついた電灯の下、新作菓子のポップをカリカリ書いてくれています。
毎度のことですが。
ありがたや。

ああ。いいなあ。かわいいなあ。
「大袖振」という名の大豆です。
北海道産の豆、と一口に申しましても、
地方により品種も様々、希少な豆を細々と守って下さっている農家さんもいらっしゃいます。
作付け面積が広くはないお豆は、
地元から外へ出てお目見えすることがなかなかありません。
今回は十勝で会えました。
ぎゅっと力強い、大地の味が口いっぱいに広がります。

秋のまめすずの十八番。洋梨のキャラメルケーキ。
キャラメルが、じゅわーっと染み込んだ端っこ、たまりません。
果肉はとろとろです。
焼きたてほかほかはもちろん、きりっと冷やしても。
洋梨の澄んだ香りが引き立ちます。
シャンパンとも合いますよ。

北海道からどっさり到着。ちょっとずんぐりむっくりな、ぴかぴかの「あかね」。
うんと酸っぱくて、焼き菓子にぴったり。
切り口に、皮の紅がにじんでうっすら茜色にそまるのも本当にきれい。

ななかまど。
七度、竈に放りこんでも燃えないといういわれが。
なかなか気骨があってたくましい。
すっかり赤く色づいた実は鈴なり。澄んだ秋空によく似合う。
札幌に育った私の原風景のひとつ。